ビザが取得できなかったとき、
費用はどうなるか
留学エージェント11社の申込規定を確認しました(確認日 2026.8.21)
学生ビザの審査は、申請すれば必ず通るものではありません。書類の不備、残高証明の基準、過去の渡航歴、申請先の国の運用。落ちる理由はいくつもあります。そして審査の結果は、申込者にもエージェントにも動かせません。
では、ビザが下りずに留学そのものが成り立たなくなったとき、支払った費用はどうなるのか。11社の規定を確認したところ、自分の落ち度ではなくても、キャンセル料は発生すると書かれている会社が大半でした。
ビザ却下でも取消料を申し受ける、と明記している会社
まず、ビザについてはっきり書いている会社があります。該当したのは2社でした。
留学ジャーナルの8週間以下のプログラムでは、第9条に審査や満席や抽選の結果によりビザが取得できなかった場合にも、各取消料を申し受けると書かれています。満席や抽選と並べて書かれているところに、この条文の位置づけが表れています。理由を問わず、結果として行けなくなったなら取消料がかかるということです。
留学タイムズは第10条3で、ビザの発給が却下されて契約解除となった場合について、通常の解約料の条項は適用しないとしたうえで、30,000円の解約料を申し受けると定めています。通常の解約料は契約成立日から31日前までが30,000円なので、早い時期に却下された場合の金額は変わりません。時期が進んでいた場合には、軽くなる方向に働く条文です。
免責事項の一項目として処理している会社
もうひとつの書き方があります。ビザの却下を、会社が責任を負わない事由の一覧に入れておく形です。該当したのは3社でした。
StudyInは第15条2項9号の免責事項に、ビザを取得できなかった場合を含めています。ワールドアベニューは第10条、ISS留学ライフは手配旅行の条件書の第13項に、それぞれ同様の記載があります。
この書き方の場合、ビザ却下について特別な条文は用意されていません。会社に責任がない以上、契約は通常どおり解除されたものとして扱われ、その時点の時期に応じたキャンセル料が適用されます。前の2社のように金額を固定する条項がないぶん、却下の連絡が遅い時期に来るほど負担が重くなります。
学生ビザの審査結果は、申請から数週間かかることがあります。出発が近づいてから結果が出た場合、キャンセル料は既に上がっています。
ビザの申請手続きにも、別の費用がかかる
キャンセル料とは別に、ビザ申請の代行そのものが有料のサービスとして設定されています。こちらは却下されたかどうかに関係なく発生します。
| エージェント | 規定に書かれているビザ関連の費用 |
|---|---|
| StudyIn | ビザ申請手続の代行は40,000円(税別)。オプション扱い |
| YAC Agency | 申請手続きの実施後に変更する場合は1箇所につき11,000円。申請手続そのものを取り消す場合は55,000円 |
| DEOW | 渡航前のキャンセル料が、ビザ申請の不要なプログラムは22,000円(税込)、必要なプログラムは33,000円(税込) |
| CEBRIDGE | 申込時のデポジットが、観光ビザとワーキングホリデービザは11,000円、学生ビザは33,000円 |
YAC Agencyの55,000円は、この4社のなかで最も高い数字です。ビザ申請サポートに含まれるのは書類の案内、申請手続きと申請費用の納付代行、健康診断書類の作成といった実務で、申請料金や健康診断費用の実費は含まれないと規定に明記されています。代行の対価としての金額です。
DEOWとCEBRIDGEは、ビザの種類によって金額そのものを変えています。学生ビザは手続きが重く、キャンセル時に発生する実費も大きいという前提が置かれていると読めます。
学生ビザだと、支払いや締切の時期が早まる
ビザの種類は、金額だけでなく日程にも影響します。学生ビザの申請には入学許可証と支払いの証明が必要な国があるため、手続き全体が前倒しになります。
スマ留は、残額の支払期日について、学生ビザを取得する必要がある場合は原則として学校開始日の120日前と定めています。学生ビザ以外の場合より早い時期に全額を預けることになります。
留学タイムズの高速サービス料10,000円は、契約成立日から研修開始日まで30日以内が対象ですが、学生ビザの場合はこれが60日以内になります。同じ日程でも、学生ビザなら追加費用の対象に入る場合があります。なお、この費用は入学が認められなかった場合も返金されません。
YAC Agencyは、変更手数料が無料になる期間の終わりを入学日の30日前としていますが、学生ビザの場合はビザ申請の時点が区切りになります。申請してしまうと、変更に費用がかかる段階へ移ります。変更手数料そのものは留学先や日程を変えるといくらかかるか、支払期日の全体像は申し込んでから出発までに、いつ何を払うかにまとめました。
国籍による例外を設けている会社
スマ留の第10条6項に、他の会社では見あたらない条項があります。日本以外の国籍を持つ人がビザ申請の不許可を理由に中途解約する場合について、別の計算方法を定めたものです。
この場合、キャンセル料を実際に生じた費用に33,000円を加えた額とすることができる、と書かれています。通常のキャンセル料は総額に対する率で計算され、90日前以降は50パーセントに達するため、実費ベースに切り替わることで負担が軽くなる可能性があります。
ただし条文には、そのようにすることができるという書き方がされています。適用するかどうかは会社の裁量です。必ずこの計算になると読める条文ではありません。
契約前に確認しておきたいこと
- ビザが却下された場合の扱いが、規定に書かれているか
- 書かれている場合、金額は固定か、通常のキャンセル料と同じか
- ビザ申請の代行は費用に含まれるか、別料金か
- 申請後に取り消す場合、いくらかかるか
- 学生ビザの場合、支払期日や変更の締切が早まらないか
ビザの審査結果は、申し込みの時点では誰にも分かりません。分からないからこそ、下りなかった場合の扱いは契約前に確認できる項目です。11社のうち、ビザについて明記しているのは2社でした。残りは免責事項のなかの一項目か、ビザの種類で金額が変わる形で扱われています。