料金表には出てこない、契約に関わること
留学エージェント11社の申込規定を確認しました(確認日 2026.8.21)
エージェントを選ぶとき、まず見るのは料金だと思います。ただ、契約書にあたる申込規定を11社分読んでみると、料金表には出てこないところで条件がかなり違っていました。
やめたいと思ったときにどう連絡するのか。契約したあとに規約が変わったらどうなるのか。学校から届いた英語の書類は誰が読むのか。どれも申し込む前には気にしませんが、あとから効いてくる項目です。
解約の連絡は、方法が決まっている
やめると決めたとき、どう連絡するか。会社によって規定が違います。
スマ留はLINE公式アカウントへのメッセージ送信と定めています。海外大学のプログラムでは「他の方法によるキャンセルの意思表示は全て無効とします」とまで書かれています。電話やメールで伝えても、規定上は受け付けられないことになります。
留学タイムズとISS留学ライフは書面です。留学タイムズは「当社の営業時間内に、書面にてお受けいたします。当社が書面を受け取った時点で正式なお取消として取り扱います」。ISS留学ライフも「電話のみによる取消し、変更はお受けできません」と条件書に明記しています。
どちらも、こちらが伝えたつもりの日と、規定上の受付日がずれる可能性があります。キャンセル料は日付で段階が変わるので、1日の差が金額に響くことがあります。
営業時間外の扱いも決まっていました。CEBRIDGEは「当社の営業時間外に解除の意思表示が到達した場合は、翌営業日に到達したものとみなします」。留学ジャーナルも同様で、該当日が休業日なら直前の営業日、営業時間以降の取消しは翌日の届出とみなすとしています。
契約したあと、規約が変わることがある
申込規定は改定されます。問題は、改定された規約が自分の契約にも適用されるかどうかです。ここは会社によって明確な差がありました。
| エージェント | 規約の変更について書かれていること |
|---|---|
| YAC Agency | 改定後の利用規約は、契約の時期にかかわらず、すべてのお客様に適用される |
| ワールドアベニュー | 本条件書は、事情により告知なしに変更されることがあります |
| 留学タイムズ | 当約款は、事情により告知なく変更することがあります |
| スマ留 | 事情により告知なしに変更されることがあります(海外大学のプログラムでは、変更後の内容についても予め同意するとの記載あり) |
| 留学ジャーナル | 効力発生日を定め、その日以前に一定期間をもって告知する |
| StudyIn | 民法の定型約款の変更に関する規定に従い、効力発生日までに周知する |
| CEBRIDGE | 効力発生日を定め、ウェブサイトへの掲載その他の方法により周知する |
告知の方法まで書いている会社と、告知なしに変更すると書いている会社があります。申し込んだ時点の規定を保存しておくと、後から確認できます。念のため、ページを印刷するか、保存しておくようにしましょう。
学校から届く英語の書類は、誰が読むか
留学の手続きでは、入学許可証や滞在先の契約書が英語で届きます。これを訳してくれるかどうかは、規定に書かれていました。
StudyInは訳さないと明記しています。理由も書かれていて、契約書類は各国の法律に基づいて作成されたもので、翻訳すると原文の意味やニュアンスの同一性が損なわれる可能性がある、というものです。「翻訳作業は行いません」としたうえで、注意事項は口頭で可能な範囲で説明するとしています。
留学タイムズも同じ立場です。ISS留学ライフの手配旅行でも「その翻訳行為は一切行っておりません」と条件書に書かれています。
一方、スマ留の海外大学プログラムは「海外大学への留学手続およびカウンセリングに関連する書類のみ翻訳をします」としています。ただし必要な部分のみで、書類全体を翻訳するサービスは行わないという但し書きが付いています。
YAC Agencyはビザ申請サポートの中に「健康診断受診書類の作成、GS作成の添削及び翻訳作業」を含めていますが、翻訳業務の範囲を超える翻訳費用は含まれないとしています。
英語の書類を自分で読む前提かどうかは、契約前に確認しておくと安心です。
支払いが遅れたときの定めがある
スクールウィズ、StudyIn、スマ留の3社には、支払いが遅れた場合の遅延損害金が定められています。いずれも年14.6パーセントです。
この数字は、税金の延滞税などで使われる利率と同じです。他の会社の規定には見当たりませんでしたが、記載がないことは請求されないという意味ではありません。
あわせて、期日までに支払わなかった場合の扱いも会社によって違いました。留学タイムズは「指定期日までの入金がない場合や必要書類の提出がないなど、当社の責によらない事由により各種手続きができない場合は、申込者がすでに当社へ支払い済みの費用等の返金はいたしません」としています。ワールドアベニューは「お支払い期日までに留学代金の支払いが行われない場合は、行っている全ての手続きを停止することもあり、ご希望出発時期までに手続きが完了できないことがあります」となっているので注意してください。
スマ留とISS留学ライフは、期日までに支払わない場合、その翌日に申込者が契約を解除したものとみなすという条項を置いています。払い忘れが解約とみなされ、キャンセル料が発生する形です。
手数料無料には条件が付いている
手数料無料をうたっている会社は多くありますが、無料になる条件は規定に書かれています。
StudyInは期間と国で分かれます。フィリピン以外の国では5週間以上、フィリピンでは3週間以上が無料の条件で、それより短いと利用料がかかります。さらに申込者が外国籍の場合、または18歳未満の場合は、期間にかかわらず利用料40,000円(税別)が発生すると規定にあります。年齢と国籍で料金が変わる会社は、読んだ11社ではここだけでした。
YAC Agencyのサポート料金は4週間以上の通学なら0円です。ただし取消手数料は学費の30パーセントに11,000円を加えた額と定められていて、対価が0円のサービスに対して学費を基準にした手数料がかかる構造になっています。
留学タイムズは4週間以上が無料で、2週間以内は20,000円、3週間は10,000円です。CEBRIDGEは特定商取引法に基づく表記で「留学手配のサポート料は無料です。語学学校へ直接お申し込みいただく場合と同じ金額でご利用いただけます」としています。
手数料が無料であることと、やめたときの負担が軽いことは別の話です。
読んでいて気づいた、細かい定め
費用の内訳を明示しない会社があります。スマ留は「サービス料金及び関連費用は、包括料金としてのみ提示し、その内訳は明示いたしません」と規定しています。留学ジャーナルの短期プログラムも「留学プログラムは、包括料金契約となるためその内訳は明示いたしません」としています。総額は分かるが、何にいくらかかっているかは分からない形です。
ビザが取れなくても費用がかかります。留学ジャーナルの短期プログラムには「審査・満席・抽選の結果によりビザが取得できなかった場合にも、各取消料を申し受けます」とあります。留学タイムズはビザの発給却下による解除でも30,000円の解約料。YAC Agencyはビザ申請手続の取消に55,000円と定めています。11社の扱いはビザが取得できなかったとき、費用はどうなるかにまとめました。
領収書を発行しない会社があります。StudyInの規定には「当社ないし教育機関及び滞在先は、領収書は発行しません。申込者自身において、振込ないし送金の帳票を保管するものとします」とあります。
為替の差益は会社に帰属します。ワールドアベニューは「ご契約時の申込プログラム詳細書に記載されている為替レートが変動した際の差益、差損は原則として当社に帰属するものとし、その清算は行いません」としています。YAC Agencyは精算で500円未満の差額が生じた場合、追加請求も返金も行わないと定めています。
契約前に見ておきたいこと
- やめるときの連絡方法が指定されているか。営業時間外の扱いはどうか
- 規約が変わったとき、自分の契約にも適用されるのか
- 英語の書類を訳してもらえるか
- 支払いが遅れた場合にどうなるか
- 手数料が無料になる条件は何か
- 費用の内訳を出してもらえるか
どれも申込規定を開けば書いてあることですが、料金の説明では触れられない部分です。申し込む前に一度、規定そのものに目を通しておくと、あとで慌てずに済みます。